この7月、私は日本病院会出版(株式会社日本病院共済会出版部)という出版社から『病院物語』と題する本を出しました。日本病院会という病院団体で仕事をしてきた経験をふまえ、地方と都会の代表的な2つの病院を取り上げてその歴史を読物にしたものです。
第1部・佐久病院物語は、昭和20年の東京大空襲の直前に長野県の田舎町の小さな農協病院に赴任した医師が、戦後、時代の転換とともにこれを1,000床の大病院に育て上げるというドラマチックな物語であり、第2部・聖路加病院物語は、幕末の築地居留地に進出したアメリカ人宣教師の医療活動から始まる近代病院創設の歴史です。
両者とも日本を代表する病院で、その歴史には数々のドラマが秘められており、明治の近代国家建設から今日までの時代背景も織りまぜました。四六判で240ページ、1,365円の本です。医学系の取次店をへて、大手の書店に置いてあるはずですが、なければ取寄せることができます。アマゾンでも取り扱っています。
高崎を出てから10年後、経済の道を外れて、病院団体で広報関係の仕事を主にしてきました。そして今年リタイアするときに、この本を出す機会に恵まれたものです。 (昭和43年卒 西沢孝洋)